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築古不動産の資産価値を向上させる修繕工事の必要性

不動産価格が安く、駅やランドマーク近くの好立地が多い築古不動産は、修繕工事やリノベーションを行うことで資産価値を向上できます。建物躯体に関わる修繕工事には防水工事、耐震補強工事、遵法性調査及び是正工事などの種類があります。この記事では、ビル1棟リノベーションなどの不動産再生事業に必ず付随してくる修繕工事の効果や必要性について詳しくご説明します。
◎築古不動産における修繕工事とは
築古不動産における修繕工事とは築年数の経過した不動産は、住戸面積や設備性能、断熱性能、防犯性能、デザイン面で時代のニーズにそぐわなくなり、資産価値が徐々に低下していきます。築古不動産を賃貸物件として貸し出している場合には空室が増え収益の悪化にもつながります。このような築古不動産の資産価値を向上させるためには、定期的な修繕やリノベーション、設備のグレードアップなどを施す修繕工事を行う必要があります。
 
近年は、地域の活性化や地方創生、SDGsの観点から不動産再生事業に注目が集まっており、デザイン性を向上させつつ環境や快適性を配慮したビル1棟リノベーションの事例が増えています。築古不動産のビル1棟リノベーションは、不動産の基礎部分や外壁、設備、耐震・防火・防水といった建物躯体に関わる性能を向上させ、資産価値だけでなく、不動産自体の競争力や収益性を高められます。
 
国土交通省の「改修によるマンションの再生手法に関するマニュアル」によると、修繕工事とは「部材や設備の劣化部の修理や取替えを行い、劣化した建物又はその部分の性能・機能を実用上支障のない状態まで回復させる行為」と規定されており、不動産性能の維持・回復を実現して経年劣化や不具合を防止する役割を持っています。修繕工事に対して、性能・機能をグレードアップさせるのが「改良工事」、修繕および改良により建物全体の性能を改善するのが「改修工事」です。建築後一定の年数を経過した不動産においては、修繕工事だけでなく、改良を含めた改修工事を実施することによって、時間経過とともに低下した築古不動産の品質や資産価値を相対的に持続させることが可能になります。
 
◎築古不動産に修繕工事が必要な理由
築古不動産に修繕工事が必要な理由生き方や働き方が多様化する現代社会において、より自分らしく、地に足の着いた快適な暮らし方を追求する人が増えました。考え方の変化や設備機器の進歩も顕著で、不動産や居住空間に求められる性能や機能は年々高まっています。一方で、築年数の経過した不動産は安全面や性能・設備面、居住性の面から陳腐化が進んでおり、利用し続けるためには早急に対策を行う必要があります。このような築古不動産の陳腐化の対応策として、また資産価値向上の手段として、修繕工事が必要なのです。
 
築古不動産で適切な時期に修繕工事を行うことによって、不動産は耐久性や耐震性、そしてデザイン性など新しい価値を持つものに生まれ変わり、利用者の安心・安全性を確保しつつ、不動産の資産価値が向上します。また、段差を無くす、手すりやエレベーターの設置などといったバリアフリー性能を付加したり、共用スペースの機能の充実、あるいは宅配ロッカーやトランクルーム、共用倉庫などを設置して利便性を向上させることで、不動産住宅の居住性や快適性が高まります。
 
仕上げ材やデザイン性を見直し外観イメージやエントランス、共用部分などを一新すればより住み心地のいい居住空間へと生まれ変わり、不動産を新装して設備や機器を最新のものへ交換すれば、資産価値をさらに高められます。賃貸不動産であれば、空室率の低減にも貢献できるでしょう。
◎建物躯体に関わる修繕工事の種類
建物躯体に関わる修繕工事の種類築古不動産の修繕工事にはさまざまな種類があります。建物躯体に関わるものとして需要が高いのが、防水工事と耐震補強工事、遵法性調査及び是正工事の3つになります。
〇防水工事
不動産物件は日々風雨にさらされているため、放置しておくと雨漏りやひび割れ、剥がれ・ふくれなどによって建物は劣化していき、資産価値は徐々に低下していきます。そのため不動産のリノベーションの際には、あらかじめ防水工事に関する計画を立てるのが一般的です。計画初期の段階で現況を調査し、不動産の漏水や劣化状態などに応じて修繕が必要な箇所を洗い出していきます。
 
防水工事の具体的な作業として、シート防水、塗布防水、シーリング、外壁タイルの張替えなどの方法があります。シート防水は、塩化ビニル樹脂製のシート状防水材、あるいはゴムシートに接着剤で接着させる作業です。障害物の少ない不動産物件に適しており、紫外線に強いことに加え、作業をシート1枚で簡単に行えるメリットがあります。塗布防水は、塗布防水材を建物躯体の表面に塗布することによってコンクリート内部の隙間を閉塞し、コンクリートそのものを緻密化して耐久性を高める作業です。耐水性や接着性はもちろん、耐候性、耐薬品性にも優れており、工程が少なく済むため工期や費用を抑えられる可能性があります。
 
シーリングは、建築材料のつなぎ目や外壁とサッシの間など、動きの多い目地や隙間に対して施す作業です。地震や台風の際には、目地の動きに合わせて伸縮して不動産への漏水を防ぎます。外壁タイル修繕では躯体から浮いて剥がれてしまう恐れのあるタイルを剥がし、部分的に張り替えた上、タイル、目地の劣化部分を保護する為、防水塗料を使用してタイルに防水膜を作ります。
外壁タイルは経年劣化や地震の影響でクラックや浮き、欠損が生じることがあり、剥落すると重大事故につながるため、安全のために重要な作業といえます。
〇耐震補強工事
耐震基準とは不動産物件を設計する際に建物構造の強度において基準とされる指標で、これを強化するのが耐震補強工事です。耐震基準は1950年に施行されたで定められており、1981年5月31日までに建築確認が行われている建物は旧耐震基準、1981年6月1日以降に建築確認が行われた建物は新耐震基準が適用されます。新旧の耐震基準が適用される基準は、不動産における竣工日や表示登記日ではない点に注意が必要です。
 
地震大国と呼ばれるほど地震が頻発する日本では、あらゆる不動産物件が常日頃から耐震に備えておく必要があります。そこで新耐震基準では、建築物の耐震性が見直され、「中規模の地震(震度5強程度)に対しては、ほとんど損傷を生じず、極めて稀にしか発生しない大規模の地震(震度6強から震度7程度)に対しては、人命に危害を及ぼすような倒壊等の被害を生じないことを目安」(より引用)として定められています。
 
耐震補強工事では、耐震基準に従って必要な耐震補強を行うことにより、不動産物件の地震における安全性を確保するのが目的です。防水工事ほどではありませんが、リノベーションにおいては計画としてよく挙げられます。耐震補強工事では、基礎部分の補強や外壁や内壁の補強、屋根の軽量化のほか、鉄骨などの筋交いや窓などの開口部をコンクリートで塞いで補強するといった作業が行われます。
 
〇遵法性調査および是正工事
遵法性調査とは、対象となる不動産物件が建築基準法や消防法などの関連法規に適合している状況となっているかを確認する調査です。不動産が関連法規に適合していない場合には、必要に応じて是正工事を行います。具体的には、違法建築物の調査、躯体の鉄筋等の状態の調査、消防設備の設置状況の調査をして修繕を行います。
 
多くの築古不動産は設計や竣工時点では適法の建物ですが、年月を経て修繕、リノベーションなどを行っていく間に姿や契約形態が変更され、気づかない間に遵法性に反した状態となっていることがあります。調査によって適切な是正を行えば、検査機関によって検査済み証が発行されるため、築古不動産であっても遵法性を保っている証明として資産価値が向上します。
◎築古不動産の修繕工事による当社の施工事例
当社は不動産再生やビル1棟リノベーションに関する数々の実績を持っています。ここでは、リノベーションの際に当社で実際に行った防水工事、耐震補強工事、遵法性調査及び是正工事の施工事例をご紹介します。
〇東麻布オフィス
東京タワー近くにある地上5階・地下1階の築古不動産をフルリノベーションした際の事例です。現況が解体済みでフルスケルトンの状態だったため、オフィス内の照明、電源、エアコン、防災等の設備をすべて新設しました。加えて、使用しない窓の閉塞や外壁における劣化状況の打診調査を実施し、防水工事と耐震用スリット工事を行うことで、建物を補強し劣化をトータルで修繕しました。また、床スラブを開口、鉄骨補強や無収縮モルタル工事を経てエレベーターを新設しました。竣工後はアパレル系の企業さまが1棟使いとして入居されています。
〇人形町オフィス
築古不動産の修繕工事による当社の施工事例 人形町オフィス中央区人形町にある5階建て築古不動産をリノベーションした際の事例です。二重天井を撤去してすべての照明をライティングレールとし、天井の高い天井スケルトン仕様のオフィスへ改修しました。使用しない窓を閉塞して耐震補強工事を実施することで、耐震補強を施しています。外構にデザイン性の高いタイルを使用することでビジュアルイメージを一新し、建物上部には高所作業車を使って大きな館名サインを設置し、屋上にはウッドデッキと人工芝生を新設しています。
〇南青山オフィスビル
築古不動産の修繕工事による当社の施工事例 南青山オフィスビル3階建ての築古不動産をオフィスビルへリノベーションした際に遵法性調査と是正工事を行った事例です。住居として利用されていた不動産をオフィスビルへコンバージョンするため、遵法性調査を行った上で、調査結果に基づいて躯体補強、内装、外構において是正工事を行いました。
◎まとめ
築古不動産はリノベーションなどの修繕工事を行うことで新しい価値が生まれ、資産価値が向上します。不動産の築年数や状態によって施工内容は異なりますが、必要に応じて修繕工事の計画を立て、実行していくことが大切です。当社は、ビル1棟リノベーションをはじめ、オフィス移転やデザイン設計、トータルプロデュースまで幅広いノウハウと実績を持っています。不動産再生やリノベーション、修繕工事をご検討であればお気軽にご相談ください。

築古不動産の資産価値を向上させる修繕工事の必要性