コラム
接骨院の内装デザインにおける心地よい空間づくりのポイント
◎接骨院において内装デザインがもたらす影響

接骨院は、整骨院とも呼ばれており、国家資格を持つ柔道整復師が施術を行います。打撲やねんざ、腰痛など、怪我や体の不調に対して、手術したり薬を使用したりせずに、手技や機器を用いて施術する施設です。そのため、病院のような無機質な空間とは異なり、患者にとって心地よい空間であることが求められています。接骨院の内装デザインは、患者の心理に大きな影響を与えます。患者は、体の不調を改善するために接骨院を訪れており、不安や痛みを抱えている場合が多いため、清潔で安心できる空間であることが大切です。内装デザインが整っていて清潔感があれば、この接骨院で施術を受けても大丈夫という信頼感をもてるようになるでしょう。
また、あたたかいカラーや自然素材などによって接骨院がリラックスできる空間になっていると、患者は緊張をやわらげ落ち着いて施術を受けることができます。さらに、施術中にほかの患者の視線が気にならず、待合室でも快適に過ごせるよう配慮されていると、患者に安心感をもたらします。過ごしやすくプライバシーが保たれた接骨院の内装デザインは、また来院しようという動機づけとなり、リピートにもつながるでしょう。このように、接骨院の運営を続けていくうえで、施術の技術が重要とされるのはもちろんですが、内装デザインによる空間づくりも大切な要素のひとつとなります。
接骨院の内装デザインは、患者だけでなくスタッフの作業のしやすさにも影響します。施術室や受付、バックヤードを行き来する動線が考慮されていると、スムーズに動くことができます。また、備品やカルテの整理がしやすいバックヤードの配置、床や壁などに清掃しやすい素材を使用するといった点なども、作業効率を大きく左右します。このような点を考慮した内装デザインは、スタッフの負担軽減や働きやすさに影響し、接骨院における質の高いサービス提供にもつながります。
◎接骨院の内装デザインの基本

接骨院の内装デザインを選ぶ際にまず基本となるのが、来院者層にあわせるという点です。ひとことで接骨院といっても、エリアや立地などによって来院する患者の層は大きく異なります。そのため、来院者になりそうなターゲットを意識すると、そのエリアで接骨院を探している人が行ってみようと思えるような、内装デザインをつくることができます。たとえば、オフィスビルや会社が多いエリアにある接骨院であれば、働いている男性や女性がターゲットになるかもしれません。そのような場合は、ターゲットにあわせて信頼感や清潔感のあるデザインにし、プロフェッショナルな印象をもたせることができます。また、ファミリー層が住む住宅街やマンションが多いエリアであれば、子育て世代の人や子どもが来院することを想定し、明るく楽しい印象を与えるデザインがよいかもしれません。このようにターゲットを意識することは、接骨院の内装に使用するカラーや素材を選定しやすくし、統一感のあるデザインをつくるために役立ちます。
接骨院の内装デザインでは、安全性の重視も欠かせません。子どもや高齢の人、体が不自由な人も来院できるように、さまざまな人に配慮したユニバーサルデザインの視点を取り入れる必要があるでしょう。移動をサポートするための手すりやすべりにくい床材を採用したり、車いすや歩行補助具が十分に通行できる通路幅の確保、段差のないバリアフリー構造などが基本となります。また、接骨院で患者が不安なく過ごせるように、スムーズに移動できる動線も確保する必要があります。待合室から施術室、トイレなども行きやすい配置にし、明確な案内をつけておくなら、安心して過ごせます。患者が心理的に快適に過ごせるよう、患者同士やスタッフと患者がすれ違わないで済む動線も意識するとよいでしょう。
接骨院の施術室は、プライバシーを守る空間であることも大切です。とはいえ、すべて個室になっていると閉塞感が出てしまい、スタッフも作業がしづらいという問題が生じます。この問題を解決するために多くの接骨院では、半個室のようなレイアウトを採用して、プライバシーとのバランスを保っています。天井まで届かないパーテーションやカーテンで区切ることにより、視界は遮りつつも光や空気の流れを確保して、閉塞感のない空間をつくることができます。このように、機能性と快適性を両立させることは、接骨院の内装デザインを決める際の基本となります。
◎接骨院を心地よい空間にする内装デザインのポイント

接骨院に来院する患者は、痛みや疲れをやわらげるために訪れるため、機能性や快適性だけでなく心地よい空間になるような工夫が必要です。そのような工夫をするなら、患者は安心して通院でき、接骨院の長期的な運営にもつながります。
〇カラー
接骨院の空間をつくるうえで、まずポイントとなるのが内装のカラーです。内装のカラーは、接骨院の印象や患者が抱く感情に大きな影響を及ぼします。たとえばグリーンは、自然を連想させて安心感や癒しをもたらす色で、リラックスをうながす効果があります。接骨院のクロスや床などにグリーンを取り入れるなら、植物を配置するのと同じような温かみが生まれます。ホワイトは、清潔感や信頼感与えられるベースカラーですが、使い方によっては病院のような冷たい印象になりがちです。そのため、暖色系の照明や自然素材などを組み合わせて、温かみをプラスするとよいでしょう。またオレンジやイエローなどの暖色は、あたたかさをプラスして接骨院全体をやわらかい雰囲気にし、ブルーなどの寒色は、解放感や信頼感を与えます。カラーが与える印象を考慮し、接骨院内のエリアごとの目的にあわせて使い分けることも可能です。
〇素材
接骨院の内装に使用する素材の選択も、心地よさにつながるポイントです。たとえば自然素材や木目調の素材などを用いると、人工的な素材と比べてあたたかみを演出でき、リラックスできる内装デザインにつながります。またソファやカーテンに、やわらかい質感のファブリックを採用すると、空間にやさしさが加わります。また内装デザインに選ぶ素材は、意匠性による影響だけでなく、機能性による衛生や安全の維持にもつながります。とくに、メンテナンスや清掃がしやすい素材を選ぶなら、接骨院にとって大切な清潔感を保つために役立ちます。たとえば、臭いを吸収し分解する消臭抗菌機能つきのクロスや、湿度を調整する吸湿機能つきクロスなどを採用できます。また、すべりにくいノンスリップ加工のフローリングを選ぶなら、安全に安心して過ごせる空間をつくりだせるでしょう。
〇照明
さらに接骨院の内装デザインを印象づけるものとして、ポイントとなるのが照明です。照明の色や種類によって空間の雰囲気を変えることができるため、接骨院内のエリアにあわせて取り入れる照明を選択しましょう。まず受付は、接骨院の第一印象をつくる場所なので、明るく清潔感のある印象を与えることが大切です。自然光に近い穏やかな白色の光を使い、シーリングライトなどで均一に照らします。接骨院の待合室には、落ち着ける空間になるよう暖色系の照明を採用できます。壁や天井を照らすアッパーライトを利用すると、やわらかい光で包み込むような内装デザインになるでしょう。施術室は、患者の症状にあわせて正確な施術を行えるよう、明るさも必要になります。調光できる天井照明を採用し、施術時には明るくしリラックスが必要なときは照度を落とせるようにすると便利です。
◎接骨院の内装デザインにおける注意点

接骨院の運営では、患者の安全やプライバシー保護などを守るために、遵守するべき基準が設けられています。そのような基準は、接骨院の内装デザインにも影響するため、計画の段階であらかじめ考慮しておく必要があります。基準を満たしていないと、保健所から改善指導を受けたり、見直しや追加工事が必要になるリスクも生じます。
接骨院の内装デザインにおいて基本の基準となるのは、国の法令にもとづく構造設備基準です。具体的には、施術室の面積は最低6.6平方メートル以上、待合室の面積は最低3.3平方メートル以上といった、最低限備えるべき広さが定められています。また接骨院の環境を保つために、適切な採光や照明、換気、消毒設備などの基準も設けられています。それに加えて、各自治体の保健所で定めている指導事項もあります。これは地域によって異なるため、あらかじめ確認しておく必要があります。
さらに、将来的な接骨院の運営体制を見据えた内装デザインも重要です。施術者が2人以上になる場合や、柔整、鍼灸、マッサージなどの施術を兼業する接骨院は、施術室が2つ必要なケースが一般的となります。その際は、カーテンやパーテーションでの区分は認められていない場合が多いため、注意が必要です。将来的に接骨院の人員を拡大する可能性があるのであれば、その際に改装工事が必要にならないよう、はじめからそのように設計しておくとよいでしょう。
◎まとめ
接骨院の内装デザインは、患者が安心や信頼を感じたり、リラックスして施術を受けるうえで、大きな影響を与えます。接骨院の運営を続けていくうえでも、大切な要素のひとつとなるため、心地よい空間するための工夫が必要です。安全性やプライバシーを考慮しつつ、自然素材や照明を用いて、あたたかみのある空間をつくりましょう。心地よい空間をつくりだす接骨院の内装デザインにご興味がある方は、当社までお問い合わせください。