コラム
デザイン性や機能性を高める!オフィスデザインに塗装を採用するポイント
◎オフィスデザインにおける内装の塗装仕上げ

オフィスデザインにおいて、内装の仕上げ材は空間の印象を大きく左右し、オフィスの雰囲気や居心地などに関わる重要な要素となります。オフィスデザインで用いる内装の仕上げ材には、壁や天井に貼るクロス、床のフローリングやタイルなど、さまざまな種類があります。そのなかでも塗装は、オフィスデザインの仕上げとして代表的な手法のひとつです。一般的に広く採用されているクロスとは異なる独特な味わいや質感を生み出し、オリジナリティのある個性的なオフィスデザインを演出します。
平安神宮の鮮やかな朱塗りに見られるように、塗装は建築の仕上げとして古くから親しまれてきました。現代では、鮮やかなカラーだけではなく豊富なカラーや自然由来の塗料など、さまざまな選択肢からオフィスデザインのコンセプトに合わせて選べます。またローラーや刷毛を使った手塗りから、吹きつけ、左官仕上げなど、塗装の手法も多岐にわたります。職人の技術や塗り方によって異なる表情を生み出すため、細部までこだわったオフィスデザインが可能です。塗装仕上げは、オフィスデザインの雰囲気を演出し、居心地のいい空間をつくるために重要な選択肢のひとつとなっています。
◎オフィスデザインに使用する塗料の種類

オフィスデザインの仕上げ材として使用する塗料にはさまざまな種類があるため、オフィスデザインの目的に合わせて最適なものを選んで使用します。まずオフィスデザインの内装で、もっとも一般的に使用されているのが水性塗料です。塗料の種類は、水性と油性に大きく分けられており、油性塗料は化学物質を多く含み強いにおいがあります。一方、水性塗料は身体に安全な素材が使用されており、においも少ないためオフィスデザインの仕上げ材に適しています。水性塗料のなかでもオフィスデザインで多く使用されているのが、アクリルエマルションペイントです。この塗料は、健康に影響がある添加物が少なくほぼ無臭で、豊富なカラーから好みのカラーを選択でき、色付けもしやすいといった特徴があります。
また自然塗料も、オフィスデザインに採用できる塗料のひとつです。漆喰や珪藻土、鉱物、粘土、モルタルなどの天然の原料を主成分としてつくられており、安全性が高い塗料となります。素材がもつ風合いや質感によって独特の雰囲気が生まれ、刷毛やくしなどを使った模様の付け方でも、個性的なオフィスデザインを演出できます。湿気除去や消臭効果などの効果がある塗料もあり、快適な空間を保つ機能性も兼ね備えています。しかし、一般的に価格が高いものが多いため、オフィスデザインにかかるコストを考慮しつつ検討する必要があります。さらに、木材の仕上げ材としてオイルステインという塗料もオフィスデザインに用いられています。これは、木材に色付けを行う上塗り塗料で、木目をいかしつつ上品なツヤや色合いを加えます。高級感のある仕上がりになりなるため、オフィスデザインに温かみや重厚感を与える塗料です。
◎オフィスデザインの仕上げ材に塗装を採用するメリット

オフィスデザインにおいて、壁や天井、床の仕上げとして塗装を採用することには、多くのメリットがあります。とくに塗装の大きなメリットとなるのが、空間全体のデザインや美しさをつくる、意匠性の高さです。塗装は、決まった色やデザインから選ぶクロスとは異なり、豊富なカラーから自由に色を調合し、オフィスデザインのコンセプトに合うオリジナルカラーをつくることもできます。また同じ色であっても、塗り方や道具によって立体感、ツヤ、素材をいかした質感などを表現し、オフィスデザインに重厚感や温かみ、おしゃれな雰囲気を加えられます。このような人の手による塗装仕上げは、既製のデザインにはない唯一無二のオフィスデザインを実現します。
またメンテナンス性の高さも、オフィスデザインに塗装を採用するメリットのひとつです。塗装による内装は、簡単に塗り替えができます。オフィスデザインの雰囲気を変えたいときは新しく色を重ねたり、補修したい部分があれば同じ色を重ねて塗ることができます。部分的な補修であれば、全体を変える必要がないためコストをおさえられ、塗り重ねることで塗膜が強くなり耐久性が向上するという利点もあります。また、塗り替えの際にクロスのようにはがした廃材が出ないため、ゴミを減らして環境負荷を軽減できるというメリットもあります。
◎特殊塗料によりオフィスの機能性やデザイン性を高めるポイント

一般的な塗料に加えて、機能性やデザイン性を高める特殊塗料も多くあります。オフィスデザインに加えたいポイントに合わせて塗料を選ぶなら、快適でほかにはない空間をつくり出せます。
〇オフィスを明るくする
窓が少なく自然光による採光が難しいオフィスでは、照明の光を最大限に活用するオフィスデザインが必要です。そのようなオフィスデザインに効果的な、光の拡散反射率が高い塗料が開発されています。この塗料をオフィスデザインの内装仕上げに使用するなら、壁や天井にあたった照明の光を効果的に拡散反射させることができ、オフィス全体の明るさを向上させます。同じ照明であっても光がオフィス全体に行き渡るため、自然光が入りづらい環境においてもオフィスの快適性を高めることができます。
〇湿度を調整する
室内で快適に過ごせる最適な湿度は、40%から60%といわれています。オフィスデザインにおいて湿度調整の機能を加えるなら、乾燥する冬の時期や湿度の高い梅雨の時期などでも快適な環境を保てます。そのようなオフィスデザインに最適なのが、塗装による湿度調整です。漆喰や珪藻土などの天然成分を配合した内装用の仕上げ塗料は、高い調湿機能をもっています。湿気が多いときには水分を吸湿し、乾燥しているときには水分を放湿して、室内の湿度をちょうどよく保ちます。このような塗装は、結露やカビの発生も抑制するため、健康的で清潔な環境を保つためにも役立ちます。
〇においをおさえる
オフィスは多くの人が集まるため、さまざまなにおいがこもりやすい場所です。消臭機能をもつ塗料によって塗装仕上げをするなら、快適な環境を保つオフィスデザインとなります。このようなオフィスデザインの塗装で注目されているのが、光触媒塗料です。光触媒塗料は、おもな原料である酸化チタンが紫外線に反応する化学反応を利用しています。塗装した壁の表面ににおい成分が付着すると、酸化分解することによってにおいをおさえます。また金属イオンを利用してにおいを吸着する塗料などもあります。
〇ウイルスや雑菌を抑制する
太陽光や照明の光に反応する光触媒塗料は、ウイルスや雑菌を抑制する効果も期待できます。塗装した壁や天井に付着したウイルスや菌を、光触媒の酸化作用によって分解し不活性化させるため、99.9%のウイルスや菌を抑制するといわれている塗料もあります。オフィスデザインの塗装にこのような塗料を使用するなら、清潔で衛生的な環境を保てます。
〇オリジナル性を高める
オリジナリティを求めるオフィスデザインに、特殊塗料を採用することもできます。たとえば、鉄に塗ると錆を発生させる塗料があります。鉄骨を組み立てる際の赤さびの誘発剤として使用されていましたが、表現のひとつとして錆を発生させるために使用されることも多くなっています。また化学反応によって色がでる塗料は、塗る箇所の素材によって色が変化するため、オリジナル性の高いオフィスデザインが可能になります。さらに、塗装すると黒板の質感になる黒板塗料や、塗るとマグネットがくっつくようになるマグネット塗料などもあります。このような遊び心のある塗料を用いるなら、ほかにはない独創的なオフィスデザインを実現できます。
◎オフィスデザインの内装の仕上げに塗装を採用した当社の施工事例
オフィスデザインにおいて内装の仕上げとして塗装を選択することにより、デザイン性や機能性を高められます。さまざまな機能をもつ特殊塗料は、オフィスデザインの可能性を広げ、快適な空間を保ちます。
〇東京港区イベントスペース・スタジオ

築30年のビルの1階にある印刷工場を、イベントスペース・スタジオとして生まれ変わらせるプロジェクトに参画しました。ほかにはない空間をつくり上げるため、床の仕上げ材に塗装塗料を使用しています。モルタルに塗ると化学反応で色がでる塗料で、施工環境によって色味や柄の出方が変わります。目指すカラーのイメージはありつつも、塗ってはじめてどのような色味やムラがでるかわからない、チャレンジ性の高い塗料です。ここにしかないカラーや柄が現れ、オリジナリティが求められる空間にぴったりの施工となりました。また床の塗装だけでなく、内装、設備、什器、サインなど全般の施工で参画しています。
◎まとめ
オフィスデザインの仕上げとして採用できる塗装には、決まったカラーやデザインから選ぶ以上の選択肢の幅があります。オリジナルのカラーを採用したり、塗り方による立体感やツヤ感など質感の違いも楽しめます。オフィスのコンセプトやブランドイメージに合わせた、オリジナリティのあるデザイン性の高いオフィスデザインが可能です。塗装仕上げを採用したオフィスデザインにご興味がある方は、当社までお気軽にお問い合わせください。