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コラム

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歴史的建造物に新たな価値を!保存・修復するリノベーション工事とデザインのポイント

日本の歴史や文化を伝える歴史的建造物は、修復しながら後世へ受け継いでいくべき、価値ある遺産です。しかし、維持管理のコスト不足や大幅なデザイン変更ができないなどの課題により、解体される建物も多くあります。歴史的建造物を保存するためには、新たなアイデアを加えつつ、歴史的価値や既存のデザインを活用するリノベーションが必要です。この記事では、歴史的建造物におけるリノベーションの方法やデザインのポイントをご紹介します。

◎歴史的建造物の種類

歴史的建造物の種類

日本には、多くの歴史的、文化的に価値がある建造物が存在しています。何百年も前に建てられた神社仏閣や明治時代の洋風建築などが、さまざまな歴史的建造物の一例です。価値の高い建築物であっても、築年数が経過すれば劣化が進み、耐久性や耐震性の問題、機能性の低下などが生じます。歴史的な街並みや建造物を維持するためには、適切な修復や保存、再生、活用が必要です。このような歴史的建造物を保存するために、国が文化財として保護する制度があり、文化財の種類によって規制や補助の度合いは異なります。

建造物のなかでも、歴史や芸術、学術上価値の高いものは、重要文化財として国によって指定されています。そのなかでもとくに価値があるものが、国宝として保護されている建造物です。また指定文化財には、国によって指定されたものだけでなく、都道府県や市町村が独自に指定するものも含まれます。重要文化財や指定文化財は、基本的に現状維持が求められているため、改修には規制があり修理や復元を行う場合も届出や許可が必要です。歴史的建造物には、このほかに登録文化財と呼ばれるものもあります。登録文化財とは、国や市町村によって指定されるものではなく、関係者の届出によって登録できるものです。登録文化財は規制がゆるやかで、内装の改修であれば制限はなく、外観の4分の1以上の大きな改修の場合は届出が必要となっています。このような指定文化財や登録文化財以外にも、残していくべき価値ある歴史的建造物や歴史的な街並みは、日本の多くの場所に存在します。

◎歴史的建造物を保存するためのリノベーション工事

歴史的建造物を保存するためのリノベーション工事

既存の建物に手を加えて新たな価値をもたせるリノベーション工事は、建築において広く行われている手法です。建物の基盤だけを残して新たなデザインを加える大規模なリノベーションも多く、水回りや間取りまでイチから変更するケースもあります。このようなリノベーション工事では、建物としての古き良きデザインを残しつつ、新たな価値観やデザイン性をもたせることが可能です。しかし歴史的建造物をリノベーションするケースの場合、一般的なリノベーション工事とは目的や方法に違いが生じます。とくに、重要文化財に指定されている建物となると、基本的に改装はできず、修復による現状維持がおもな目的となります。また登録文化財の場合も、内装のリノベーションは行えるものの、外観の大きなリノベーションはできません。

さらに、いくら価値のある歴史的建造物であっても、ただ修復や保存を目的としてリノベーションするだけでは、残していくのが難しいという現状があります。実際に、登録文化財のような価値ある建造物のなかにも、解体せざるをえない状況になってしまったケースも多くあります。その原因となっているのは、過疎化や地域住民の高齢化によって、文化財を管理する人が減っているという現状です。また、修繕するためのコストや固定資産税などの維持管理にかかる費用も、原因のひとつとなっています。登録文化財であっても、国の補助を受けられるのは、修繕費用の25%のみです。このような現状により、修繕や維持管理の費用をまかないきれず放置され、解体に至る事例も多くなっています。

そこで、歴史的建造物の修復や保存に加えて、体験や利用ができる施設としてリノベーション工事を行い、残していくという取り組みが全国で起こっています。求められているのは、制限があるなかでも現状維持のための修復を行いつつ、新たな価値を加えるリノベーション工事です。歴史的建造物を保存していくためには、一般的に行われている大規模な改修によるリノベーションとは異なるアプローチを行う必要があります。歴史や文化的な価値を新たに引き出すリノベーション工事が、価値ある遺産を後世に受け継ぐための足がかりになるでしょう。

◎歴史的建造物のリノベーション工事とデザインのポイント

歴史的建造物のリノベーション工事とデザインのポイント

歴史的建造物を保存するためには、活用方法を計画し、それに合わせたデザインや機能を追加するリノベーション工事が必要です。さらに、建物の価値を見極めて、傷んでいる箇所の調査や部材の取り換え、雨漏りの補修、耐震補強工事なども行わなければなりません。

〇活用に向けたリノベーション

修復して維持管理するためだけのリノベーション工事だけでなく、体験や利用ができる空間にリノベーションするなら、結果として歴史的建造物の再生と保存につながります。多くの歴史的建造物において、ホテルやレストラン、カフェ、ワークスペース、結婚式場など、さまざまな空間にリノベーションし活用している事例が増えています。重要文化財や指定文化財以外の歴史的建造物であれば、内装デザインの改装は制限がないため、活用に向けたリノベーションが容易です。指定文化財であっても、一部エリアの文化財解除を要請して建物を新設し、結婚式場とレストランにリノベーションした事例などもあります。体験や利用可能な空間へのリノベーションを行うなら、活用によって維持管理のコストをまかなえるため、結果として歴史的建造物の保存につながります。また、人が住んでいない状態の建物は、老朽化が進みやすいのが特徴です。活用に向けたリノベーションによって、人が利用したり宿泊したりすると、建物の老朽化が防止され保存や維持管理が容易になります。

〇新しいデザインと設備の追加

歴史的建造物において、当時の建築技術やデザインなど、そのままの状態で保存すべきものは多くあります。建物の価値を損なわないリノベーションが必要な反面、活用を検討するのであれば、新しいデザインや設備を追加する必要も生じます。たとえば、寒さや暑さを解消するためのエアコンを導入したり、バリアフリーのためのエレベーター設置したりといったリノベーション工事が必要な場合もあるでしょう。また宿泊施設へのリノベーションであれば、トイレやお風呂場などの設備を整える工事も必要です。このような、快適に過ごせる環境を整えるリノベーションにおいても、歴史的建造物の美しさを損なわないようなデザインは必須です。外観デザインに合わせた内装デザインにしたり、もともとつかわれている素材に調和した家具や建材などを用いたりと、工夫を凝らしながらリノベーションを行います。木製の家具やガラス、陶器、石など、当時使用していた素材を合わせれば、歴史的なデザインをアップデートして、モダンでおしゃれな雰囲気へのリノベーションが可能です。

〇活用するために必要な修繕

活用に向けたリノベーション工事においては、デザインや機能の追加だけではなく、破損している場所の修繕も欠かせません。傷みやすい屋根や壁を部分的に補修したり、床材を張り替えたりするなどの小規模なリノベーションだけでなく、塗装や屋根の張り替えなどのリノベーション工事が必要になる場合もあります。さらに、柱や梁など構造上の問題が発生している場合は、さらに大規模に補修するリノベーションが必要です。歴史的建造物や文化財の場合、ひとつの修繕箇所だけをみても、通常のリノベーション工事とは計画や施工の流れが異なります。建設した当時の技術や時代背景、修理履歴なども考慮しつつ修理方法を決定しなければなりません。慎重に調査して方法を検討し、歴史的価値を損なわないようにする必要があるのです。重要文化財であれば、文化庁の文化財調査官による指導のもと計画や工事を進めます。また活用に向けたリノベーション工事であれば、利用する人の安全性を確保する必要も生じます。さらに建物を適切に保存するためには、耐震診断や耐震補強のためのリノベーション工事も必要です。

◎歴史的建造物を保存・修復するためにリノベーションした当社の施工事例

歴史的建造物は適切な修繕を行うだけでなく、活用するための修復や新しいデザインを追加するリノベーションにより、歴史的な価値を残していくことができます。既存のデザインと調和させて、保存すべき美しさを損なわないリノベーションが大切です。

〇静岡県沼津市ホテル・レストラン

歴史的建造物を保存・修復するためにリノベーションした当社の施工事例 静岡県沼津市ホテル・レストラン

静岡県沼津市にある沼津倶楽部は、迎賓館として利用されていた100年以上の歴史をもつ登録文化財です。これまで、庭園と建物を残しつつ横にホテル棟を新設し、ホテルに併設されたレストランとして保存と活用を両立させていました。弊社では、2023年にホテルのリニューアルオープンに際して行われた、ホテル棟と登録文化財であるレストラン棟のリノベーション工事に参画しました。全体の修繕工事に加えて、客室やスパ、レストランのリノベーション工事、庭園のライトアップ工事を実施しました。古き良き歴史的なデザインは残しつつ、現代のニーズに沿ったデザインと機能を取り込み、修繕と修復、新規デザインの計画から施工まで携わっています。

◎まとめ

歴史的に価値のある建造物であっても、修復のためのコスト不足や人員不足、限られた補助金や改修の規制などの課題により、保存が難しいという現状があります。歴史的価値や当時の建築技術を残すためには、現状維持を目的とした工事に加えて、活用に向けたデザインや機能の追加を行うリノベーション工事が必要です。歴史的建造物の保存や活用を目的としたリノベーションやデザインにご興味がある方は、当社までお気軽にお問い合わせください。


歴史的建造物に新たな価値を!保存・修復するリノベーション工事とデザインのポイント