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コラム

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植物の魅力を最大限に引き出す店舗設計のポイント

近年、店舗設計において、植栽を取り入れる動きが活発になっています。植栽は、顧客のリラックス効果やブランドイメージ向上、自然環境への配慮をアピールする有効な手段として注目されています。植栽には生の植栽とフェイクグリーンがあり、それぞれの特性に合わせた店舗設計が必要です。この記事では、植栽を導入すると得られる効果や植栽の魅力、店舗設計のポイントをご紹介します。

◎植栽が生み出す魅力的な店舗デザイン

植栽が生み出す魅力的な店舗デザイン

店舗設計において植栽を導入することは、単に空間を飾る以上の効果をもたらします。植栽を取り入れることで、店舗のイメージに合わせた居心地のよい空間演出ができるでしょう。植栽がもたらす効果のひとつとして、心理的なリラックス効果があげられます。植物の緑色や自然の要素には、人の心を落ち着かせる働きがあり、ストレスを和らげたり、リラックスした気分をもたらします。また、植栽は身体面にもよい影響を与えるとされています。たとえば、緑は長時間見ても目が疲れにくい色として知られており、視覚のリフレッシュにもつながります。植物には、ホルムアルデヒドやトルエン、キシレン、アセトンなど、空気中に含まれる有害物質を吸着・分解し、空気をきれいにする働きがあるとされています。また、植物の葉からは水分が蒸散するため、室内の乾燥を防ぎ、店舗内が快適になるでしょう。店舗空間に植栽を取り入れることで、訪れた人が心地よく過ごせるようになり、滞在時間が自然と長くなる傾向があります。ゆっくり時間をかけて買い物を楽しんでもらえることで、購入意欲の向上にもつながります。こうした快適な空間づくりは、リピーターの増加にも効果的です。

店舗空間における植栽の役割は、リラックス効果だけにとどまりません。店舗のブランディングやイメージづくりにも大きな力を発揮します。店舗のコンセプトや来店する人の層に合わせて、植物の種類や配置を工夫すれば、そのお店ならではの魅力的な空間を演出することができます。たとえば、ナチュラルテイストのカフェなら観葉植物やハーブを取り入れてやさしい雰囲気に、アジアンテイストのお店なら竹やエキゾチックなグリーンを飾ることで、空間全体に統一感と個性をもたせることができます。ほかにも、植栽には環境面でのメリットもあります。植物は室温を一定に保つ効果があり、冷暖房の使用をおさえることでエネルギー消費の削減につながります。また、植栽と組み合わせた際、リサイクル可能な資材を使った店舗設計を意識することで、廃棄物を減らし、より環境にやさしい空間を実現できます。環境意識やSDGsへの関心が高まっている今、こうした取り組みはお店のイメージアップにもつながり、多くの共感を得られるでしょう。

このように、植栽を取り入れることで、店舗の外観や内装に魅力が生まれ集客力アップにもつながります。見た目にインパクトのある植栽デザインは注目されやすく、SNSでのシェアも期待できるため、オンラインでの認知度向上にも効果的です。さらに、店舗の入り口付近にグリーンを配置することで、通りかかった人の目を引き、思わず足を止めたくなるような雰囲気づくりもできます。

◎生の植栽とフェイクグリーンの違い

生の植栽とフェイクグリーンの違い

店舗設計に植栽を導入する際に、生の植物を選ぶか、フェイクグリーンを選ぶかは、店舗の状況や目的に応じて検討する必要があります。それぞれの違いを理解したうえで適切な選択をすることが、店舗設計を成功させるポイントとなります。

〇生の植栽

店舗設計において生の植栽を取り入れることは、空間全体に自然の雰囲気を加え、訪れる人に心地よさを感じてもらいやすくなります。みずみずしい質感や色合い、本物の植物ならではの成長の様子は、空間に生命感を与え、フェイクグリーンでは得られない自然な魅力を演出できます。生の植物は、リラックス効果やストレス軽減効果が高いとされており、空間の快適性を高める工夫としても効果的です。植物が光合成を行うことで二酸化炭素を吸収し、酸素を放出するため、室内の空気を浄化する役割も期待できます。種類によっては香りによる癒しや、マイナスイオンの発生など、五感に訴える心地よい空間づくりにもつながります。

注意すべきこととして、管理・維持の面があげられます。水やり、剪定、肥料管理、日当たりや風通しへの配慮など、継続的なメンテナンスが必要となります。管理が不十分だと植物が傷んでしまい、空間の印象を損なう恐れもあります。店舗設計の段階で、植物の種類や設置場所、維持管理の方法までしっかりと計画することで、デザイン性と機能性の両面で魅力的な空間になるでしょう。

〇フェイクグリーン

一方で、フェイクグリーンはポリエステルやプラスチックなどの素材で作られた人工の植物です。近年はその技術も大きく進化しており、見た目や質感も本物に近い、精巧なものが増えてきました。フェイクグリーンの1番のメリットは、手間がほとんどかからないことがあげられます。水やりや剪定、日光の管理などは必要ないため、枯れる心配もありません。虫がつくこともないので、衛生面でも安心でしょう。日当たりが悪い場所や空調の影響を受けやすい場所など、生の植物が育ちにくい環境でも気軽に取り入れられるのが大きな魅力です。デザインの自由度が高いため、場所を選ばず飾れることもポイントです。レイアウトに合わせて配置しやすく、空間全体のバランスを整えるのにも役立ちます。

ただし、フェイクグリーンはあくまで人工の植物なので、本物のような癒し効果や空気をきれいにする働きはありません。素材によっては耐久性に差があり、長時間使っていると日焼けや劣化が気になることもあります。ほこりがたまりやすいため、定期的なお手入れも必要になります。フェイクグリーンを選ぶ際は、見た目のリアルさだけでなく、素材の丈夫さやお店の雰囲気に合うかどうかも合わせてチェックしておくと安心です。

◎生の植栽を取り入れた内装設計のポイント

生の植栽を取り入れた内装設計のポイント

生の植栽を取り入れた店舗設計では、動線の確保や日当たり、緑視率のバランスが大切になります。見た目の美しさだけでなく、心地よく過ごせる空間づくりにつながります。

〇レイアウトを意識する

店舗設計に生の植栽を取り入れる際、レイアウトは、店舗空間全体の印象を大きく左右する重要な要素になります。ただ単に植物を置くだけではなく、顧客が店舗内をスムーズに移動できる動線を確保する必要があります。通路の邪魔になるような場所に植栽を配置してしまうと、顧客の移動を妨げ、不快感を与えてしまう可能性があります。植栽と什器、人の間にゆとりをもった店舗設計にすると、導線と安全に配慮できます。また、生の植栽には日光が必要です。午前中の日光が当たる場所や、植栽にストレスを与える西日が当たらないような場所に設置するようにしましょう。メンテナンスや清掃がしやすい店舗設計にすると、植栽が長持ちします。

〇適切な緑視率に調整して植栽の量を決める

店舗設計に生の植栽を取り入れる際、その量を決定するうえで重要な指標となるのが「緑視率」です。緑視率とは、人の視界に映り込む緑の割合を示すもので、この割合を適切に調整することで、店舗空間の印象を大きく変えることができます。緑視率を意識するうえで重要な点は、多ければよいというわけではないという点です。緑視率が25%を超えると、圧迫感やうっそうとしている、落ち着かない印象を与えてしまうことがあります。逆に、緑が少なすぎると、植栽の効果が十分に発揮されません。店舗のコンセプトにもよりますが、一般的に快適な空間を作り出すのに適切な緑視率は、10%~15%程度といわれています。この範囲であれば、緑によるリラックス効果や、空間の美しさを損なうことなく、店舗空間に心地よさをもたらすことができます。

〇植栽を置くためのスペースを確保する

店舗に生の植栽を置く場合、その設置のための十分なスペースの確保が必要です。高さのある木や葉の多い植栽が窓をふさいで店舗内が薄暗くならないよう、店舗設計においては窓の位置や数、大きさを確認することが求められます。植栽は成長とともに大きくなるため、設置する際には将来的な成長も見越してスペースを確保する必要があります。また、植栽の種類によっても、成長のスピードや大きさが異なるため、それぞれの特性を理解したうえで、適切なレイアウトを検討することが重要となります。

◎生の植栽を取り扱う店舗の内装工事を行った当社の施工事例

店舗設計に生の植栽を取り入れることで、空間の心地よさやブランドイメージを高めることができます。生の植栽の魅力を活かすには、動線や照明、環境面への配慮が欠かせません。

〇東京渋谷区植栽サロン

生の植栽を取り扱う店舗の内装工事を行った当社の施工事例 東京渋谷区植栽サロン

北参道駅から徒歩3分のビル内にて、生の植栽を取り扱う事業者様の店舗設計・施工を担当させていただきました。植物が美しく映える意匠提案に加え、発育に適した照明計画や風の通り、水やりのための水場の設置など、運用面についてもご相談を重ねながら、設計を進めてまいりました。空間全体は、深みのあるグリーンをアクセントカラーに使用することで、植栽そのものの魅力を際立たせています。また、木目の棚や石を思わせるモルタル調のカウンターを取り入れ、自然のぬくもりを感じられる、落ち着きのある内装に仕上げました。

◎まとめ

植栽は、顧客に快適な空間を提供し、店舗のブランドイメージの向上など、好ましい効果をもたらします。生の植栽とフェイクグリーンにはそれぞれ異なる特徴があり、店舗の状況に応じて適した植栽を選択するようにしましょう。効果的なレイアウトや適切な緑視率など、植栽を最大限に活かすためのポイントをおさえることが、魅力的な店舗空間を作り出します。植栽を取り入れた店舗設計をご検討の方は、当社までお気軽にご相談ください。


植物の魅力を最大限に引き出す店舗設計のポイント