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コラム

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ビルリノベーションに参画する建築士資格と業務内容

建築士資格とは、建物の設計や施工管理を行う際に必須となる国家資格であり、ビルリノベーションをはじめとした大規模改修工事には欠かせない資格です。とくに建設工事では、建築士資格を所持した建築士によって、建築基準法・消防法・景観条例などの多岐にわたる法的要件を遵守する必要があります。この記事では、建築士資格の詳細やビルリノベーションの重要性などをご紹介します。

◎ビルリノベーションの重要性

ビルリノベーションの重要性ビルリノベーションとは、既存ビルを新たな用途やニーズに合わせて改修する工事のことです。既存の建物を使用することから、都市再生や環境に配慮した、持続可能な開発を行うための、重要な工事であるといわれています。また、新築でビルを建設するよりも、少ない資源で綺麗なビルが手に入るため、建設コストも削減できます。さらに、地域のニーズに合わせてビルの用途や機能を変更することで、経済の活性化も狙えます。老朽化したビルをモダンなオフィスビルや共同住宅へリノベーションすることで、都市の利用人口が増加した事例は多いです。
 
耐震性や省エネルギー性の向上などの技術的な側面も、ビルリノベーションでは重要です。日本は自然災害が多いので、とくに近年では災害に強い建築物へのニーズが高い傾向にあります。そのため、リノベーションによって古いビルの安全性を、現代基準に合わせることが必要です。建築士によるリノベーションによって、既存の建物の価値がさらに高まるだけでなく、テナントや利用者の安心感も増し、ビルの長期的な利用につながります。
 
ビルリノベーションを成功させるには、建築士資格を持つ優秀な建築士が必要不可欠です。ビルリノベーションにおいて建築士が主に関わるのは、現地調査・プランニング・見積作成・設計図作成・竣工検査・建築許可や道路の使用許可申請などの行政手続き・契約書の監修・建築物の調査鑑定、などの多岐にわたります。ビルリノベーションのような大規模改修の現場であれば、必ず建築士はプロジェクトに参加しています。

◎ビルリノベーションに参画する建築士資格について

ビルリノベーションに参画する建築士資格について建築士資格とは、建築物の設計・工事監理などを行える国家資格です。建築士資格には、一級建築士・二級建築士・木造建築士の3種類がありますが、ビルリノベーションに関係があるのは一級建築士と二級建築士です。簡単に説明すると、二級建築士は主に中小規模の建物や住宅を担当できる資格で、ビルリノベーションに関しては一定の範囲内で対応できます。そして一級建築士はより大規模な建築物や高層ビルなども対応可能です。もちろん、ビルリノベーションに関しては全般的に対応できます。
 
二級建築士を取得するには、まず特定の学歴や実務経験が必要です。たとえば、建築系の大学を卒業している場合、卒業と同時に受験が可能です。しかし、建築系以外の学校を卒業している場合は、建築分野で7年以上の実務経験が必要になります。試験内容は、学科試験と設計製図試験に分かれており、学科試験はマークシート式、設計製図試験では課題にもとづいて一定時間内に設計図や構造図を描きます。両方の試験に合格すると建築士免許が交付され、戸建住宅・小規模商業施設・低層アパート・木造建築などに関する設計や工事監理を行えるようになります。
 
そして、一級建築士を取得する場合にも、特定の学歴や実務経験が必須です。建築系の大学を卒業後に、2年以上の実務経験が必要な場合があります。また、二級建築士を取得している場合は、4年以上の実務経験を積むことで受験資格を得られます。受験内容は二級と同様に学科試験と設計製図試験で、試験合格後に当道府県知事への登録申請を行うことで、正式に一級建築士として活動できます。一級建築士を取得するとあらゆる規模の建築物の設計が可能になり、不特定多数の人々が利用する百貨店・劇場・駅などの特殊用途建築物も担当可能です。

◎建築士が担う業務の役割

建築士が担う業務の役割ビルリノベーションにおいて、建築士は多岐にわたる業務を担う重要なポジションですが、なかでもとくに重要な業務として以下の4点があげられます。
 

〇プロジェクトマネジメント

ビルリノベーション等に携わる建築士は、まず全体のプロジェクトマネジメントを務めます。建築士はリノベーションの初期段階から関与しており、クライアントに用途・要望・予算などをヒアリングし、建物の現状を正確に調査したうえで、リノベーションの方向性を策定します。工事の進捗に従って、建築士は各専門家や外注先との調整役を務めることが多いです。工程をスムーズに進めるためにも、建築士が中心となってプロジェクト全体を統括していく必要があります。建築士は、クライアントに対して進捗状況を適宜報告し、プランの変更や追加要望があれば柔軟に対応していきます。仮に現場で予期せぬ事態が発生した場合には、建築士は問題解決に尽力し、迅速に問題が解決するように進めます。リノベーションが日程通りに、法的規制に則り、予算内で完了できるか否かは、建築士の腕次第といっても過言ではありません。クライアントのニーズを満たすようなリノベーションになるか否かも、建築士次第なのです。

〇改修に伴う建築基準法(用途変更や増築など)を遵守するための官庁との相談・計画の策定

ビルリノベーションを行う際、建築士は建築物が建築基準法に違反していないか確認を行います。とくにビルリノベーションで建築基準法が関係するのは、大規模な改築・増築・模様替え・用途変更などです。大規模な改築・増築の場合には、官庁への確認申請が必要であり、その手続きは建築士が代理で行うケースが一般的です。建築士はビルリノベーションで上記のような建築基準法を遵守するため、主に次の手順を踏みながら計画の策定・実施を行います。まず、建築物の現状を確認し、改修や増築が必要な個所を明確し、建築物がある地域がどのような用途地域に指定されているかの確認を行います。次に、官庁へ建築確認申請や用途変更申請が必要である場合には、計画を進める前に官庁と事前相談を行うことが重要です。そして事前相談での内容に沿って、建築士は構造計画を策定し、申請に必要な図面を作成します。図面と申請関係書類が準備でき次第、官庁と協議を行い、建築基準法等への適合性に関して確認を受けます。最後に、施工完了後には官庁による完了検査を受け、建築確認済証を取得します。

〇消防法を遵守するための官庁との相談・計画の策定

上記の建築基準法と共に相談・確認が必要な法令には、消防法もあります。消防法では、火災の予防や避難経路の確保に関する基準が定められており、その基準にもとづいて建築士は計画を策定する必要があります。とくにリノベーションでは、建築物の用途変更や増築の可能性があるため、消防法の確認は非常に重要です。一般的には、ビル内の構造が複雑になればなるほど、避難経路に関する設計は難しくなるといわれています。大規模なビルリノベーションになる場合、増築部分に適切な避難経路を追加する必要があるため、建築士は消防当局と調整しながらプランニングを行います。さらに避難経路の確保以外にも、スプリンクラーや消火器、自動火災報知機などの必要な消火設備の計画も必要です。建築物の階数・用途・収容人数などに応じて必要な設備が異なるため、基準にもとづいて設置します。また、地域によって消防法の適用範囲が異なる可能性もあるため、該当地域の消防署で具体的な規制を確認することが重要です。

〇条例(景観条例や福祉のまちづくり条例)を遵守するための官庁との相談・計画の策定

地域によっては、景観条例や福祉のまちづくり条例をはじめとした各種条例にもとづき、建築物の構造・デザインなどに制限がかけられている場合があります。これらの条例は、地域の特色や住民の利便性・安全性を確保するために制定されており、建築士は各自治体が定める基準を遵守する必要があります。京都のような歴史的建造物が多い場所でのリノベーションの場合、景観条例によって、建築物のデザインや高さがその街の景観を損なわないように配慮しなければなりません。また、福祉のまちづくり条例が制定されている場合には、エレベーター・スロープの設置や建物全体のバリアフリー化などの対応が必要です。建築士は事前に条例の有無を調べ、設計やデザインが条例に違反していないか、自治体の担当部門に確認をとります。たとえば、景観条例であれば景観課や都市計画課、福祉のまちづくり条例であれば、福祉課などが該当する可能性があります。

◎当社のビルリノベーションの施工事例

ビルリノベーションにおいては、従来まで住宅であったビルをオフィス仕様にコンバージョンするリノベーションもあります。用途変更に伴って、補強工事や官庁への申請業務などが発生します。

〇東京都港区南青山オフィスビル

当社のビルリノベーションの施工事例 東京都港区南青山オフィスビル港区南青山にある中古ビルを住宅からオフィスビルへコンバージョンするにあたり、ガイドライン調査や調査結果の是正工事などを担当しました。まず、住宅からオフィスビルへの用途変更に伴い、遵法性調査を行っています。遵法性調査とは、建物が建築基準法や消防法、都市計画法などの建築基準関係規定に適合しているか調査するものです。調査の結果、躯体補強が必要であると判明したため、適切な施工を施しています。また、用途変更によって必須となる、官庁への申請業務も行いました。適切な工程を踏んだうえでリノベーションを行っているため、安心して引き続きビルを活用しています。

◎まとめ

ビルリノベーション業界において、建築士資格を有する人材は非常に重宝されています。建築士がリノベーション施工で携わる役割は多く、建築士の力量によってリノベーションの質が決まるといっても過言ではありません。当社が携わっている案件でも、建築士がプロジェクトチームの一員として活躍していることが多いです。ビルリノベーションを検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。

ビルリノベーションに参画する建築士資格と業務内容