コラム
ビルのリノベーションと同時に行うサイン計画のポイントやメリット
ビルのリノベーションを行う際、同時にビルサインをリニューアルするケースが多くあります。ビルのリノベーションにサイン計画を含めれば、ビルの新しいコンセプトをアピールしやすくなり、コスト削減やトラブル回避にもつながります。魅力的なサインを作るためには、ビルのコンセプトに沿ったデザインや見やすさなどが大切です。この記事では、ビルサインの役割やビルのリノベーション時に行うサイン計画のポイントについてご紹介します。
◎ビルに設置されるサインの役割
ビルサインとは、目印にしたり表示や案内をするためにビルに取り付けるものです。ビル関係者だけではなく、ビルの前を通りかかった人を含む不特定多数の人に対して、ビルの情報やイメージを発信できます。ビルの正面や人目につきやすい部分に取り付けるサインには、さまざまな役割があります。
ビルに設置されるサインの役割のひとつは、ブランディング効果です。ビル自体のコンセプトや雰囲気、入居を期待する企業のカラーにマッチしているサインは、ビルの顔となります。ビルの利用者や顧客、ビルの前を通り過ぎる人、近隣の住人など、サインを目にする人は多くいます。良質なサインを繰り返し目にすると自然に認知度が高まり、ビル自体のブランディング効果を期待できるでしょう。ビルのブランド力が高まると、入居している企業のブランディング力も向上します。このように入居者に対しても良い効果を与えられるため、入居を検討している企業から選ばれるビルになります。ビルのサインは、ビルそのものの影響力を向上させるだけでなく、入居する企業にもプラスの効果をもたらす役割を担っています。
ビル自体の印象や入居する企業のイメージを引き立てられるようなサインは、サインを見た人の関心を高める役割をもっています。入居希望者に対して、どのようなコンセプトをもって建てられたビルなのか視覚的なアピールができるため、入居先を探す企業の目にとまります。また、企業が取り扱うサービスや商品と結びつくようなビルサインは、顧客や見込み顧客に対して、訪問や問い合わせをするなどの行動を促せます。直接的な行動に結びつかなくても、ビルや店舗を調べる検索行動につながるかもしれません。ビルのサインには、サインを目にした人がビルへの関心を高める役割のほか、ビルに入っている企業の商品やサービスへ興味を抱くきっかけとしても働きます。
◎ビルのリノベーション時に行うサイン計画のポイント
サイン計画とは、サインのデザインや位置などを検討することです。ビルのリノベーションを行う場合、同じタイミングでサインも変更することが多くあります。リノベーションによりビルのコンセプトや内装、使用用途などが変わるため、いくつかのポイントをおさえてサイン計画を行いましょう。ポイントを把握したうえでサイン計画を行うと、ビルのリノベーションにより雰囲気が変わっても、ビルになじむサインを作成できます。
〇ビルのデザインやコンセプトに沿ってデザインする
ビルのリノベーション時にサイン計画を行うときは、リノベーション後のビルのデザインやコンセプトにマッチしたサインをデザインしましょう。ビルの内装や外観、リノベーション時のコンセプトを無視したサイン計画を立てたり、リノベーション前のデザインを使うと、統一感が損なわれます。ビルの顔ともいえるビルサインは、色使いやフォントをはじめ、細やかな計画が必要です。たとえば、サインの色は、サインを目にした人の心理に大きく働きかける作用があります。オフィス用にリノベーションする場合、寒色系の色合いを採用すると信頼できるイメージを高められます。また、単色やモノトーンを取り入れると、高級感が出て落ち着きある演出が可能です。サインのフォントの選定も、ビルのコンセプトやデザインと強い関りがあります。手書き風のフォントは、かわいらしいイメージになりますが、同時にやや子ども向けの印象も与えます。子どもの施設が集まるビルであれば候補になるフォントでも、ビルのコンセプトやデザインによっては、別のフォントが望ましい場合もあります。ビルのサインは、ビルのデザインやコンセプトと融合して効果的に機能するため、サイン単独で計画せずにビル全体のリノベーション計画と合わせて検討しましょう。
〇サインのわかりやすさや見やすさを大切にする
サインをひと目見ただけで、わかりやすく見やすいデザインにすることも、ビルのリノベーションと同時にビルサインを作成するときのポイントです。ビルサインが見づらくて読みにくいと、人の目に入らないためサインを認知してもらえません。そのため、ビルサインの役割のひとつである、ブランディング効果も発揮できません。サインは、人に見てもらえてはじめて効果を得られます。効果を十分に感じるためには、サインを見やすくする工夫が必要です。たとえば、サインを設置する場所やサイズの調整ができます。ビルのエントランス正面に取り付けるようなビルサインは、誰の目にも止まるようなサイズで、高めの位置に設置しましょう。夜間でも目に留まる発光サインも、視認性を高める方法のひとつです。地面に近い位置にあるサインや小さすぎるサインは、興味をもった人が自主的に近づかない限り、なかなか目に入りません。また、サインで伝えたい内容がひと目でわかるような工夫も必要です。手書きにこだわったり文字数が多すぎると、サインを見た人が読むのを諦めてしまうかもしれません。サインを作る側の希望やこだわりも含めつつ、読み手が理解しやすいよう配慮することも、サイン計画のポイントです。
〇ビルの周辺の景観や環境に配慮する
ビルのリノベーションに合わせてビルサインをリニューアルする際は、リニューアル後のサインがビル周辺の景観や環境に溶け込むか確認しましょう。作り手の思いが込められたビルのサインでも、ビル周辺の街の雰囲気と合わない場合、悪目立ちしてしまいます。景観と融合するサインを作成するには、リノベーション後のビルのコンセプトに沿わせつつ、周辺の建物の色や緑の量を考慮した色や素材を選定します。反対に、サインのカラーをビル周辺にある色と対比させ、景観のアクセントとして活用することも可能です。ビル周辺の景観や環境に融合するサインと対比させて調和を作るサインは、いずれの場合も既存の環境の分析と配慮が求められます。また京都をはじめ、自治体が景観を整えるためにサイン計画に制約を設けているケースもあるため、制約に基づいた景観への配慮も欠かせません。
◎ビルのリノベーションと同時にサイン計画を実行するメリット
ビルのリノベーションによってビル全体の雰囲気が変わるときにサインもリニューアルすると、ビル自体のアピール力が強まり集客につながります。ビルのコンセプトとマッチしたサイン計画を実行するなら統一感が高まり、リノベーション後のビルのコンセプトを力強く押し出せるからです。ビルサインは、ビルの第一印象を左右する要素のひとつとなります。リニューアル後もまとまりのある空間を演出できると、人の関心を集めるだけではなく記憶に残りやすいため、入居希望者に選ばれる可能性が高くなります。良質なサインは、入居先を探している企業にとっても魅力となりますが、企業の顧客にとっても魅力となります。店舗であれば来店客の増加、オフィスではサービスや事業への問い合わせといった、集客効果を期待できます。ビルのオーナーは入居希望者に選ばれるビルを作り、ビルに入居した企業は顧客に選ばれる企業になるでしょう。
ビルの全体的なリノベーションを検討している場合、サイン計画を同じタイミングで実施すると、管理コストやリノベーション費用の削減が見込めます。サイン計画がビルのリノベーション計画に盛り込まれるため、管理や工期の一括調整が可能です。ビル全体のリノベーション計画にサイン計画を含めない場合、本来は不要だった手間やトラブルが追加でかかる可能性が考えられます。時間をおいてサインの移動やリニューアルを行うと、取り付け済みのビル設備が原因で設置したい位置にサインを取り付けられない可能性もあります。また発光するサインを設置したくても、電源の確保が難しかったりケーブルが露出してしまうなど、後付けによってトラブルが起きたり解決するためにコストが発生してしまう場合もあるでしょう。リノベーション計画にサイン計画を含めるなら、追加の手間や費用の発生を回避できます。なによりも、古いサインだけが取り残された状態ではなく、ビルすべてがリニューアルした状態で入居者に入居してもらえるという点は、大きなメリットのひとつです。
◎サイン計画とビルのリノベーションを同時に実施した当社の施工事例
ビルのリノベーションと同時にサイン計画を実施すると、新しいビルのコンセプトにサインがマッチし、ビルの魅力度が上がります。統一感のあるビルはアピール力が高まるため、集客力アップをはじめとした多くのメリットが得られます。
〇東京目黒区池尻大橋ビル
目黒区池尻大橋にある音楽専門学校をオフィスビルにするリノベーション工事に参画しました。本リノベーション工事では、ビルの顔になるサインも同時にリニューアルしています。オフィスビルになるため、ビル自体だけではなく入居を希望される企業さまのブランディングにもつながるよう、サインは単色かつ黒を採用し、落ち着きや高級感を演出しました。また、ビルのエントランスの上にサインを設置し、ビルの名前が自然と目に入って記憶に残るような工夫を凝らしています。さらに、どの時間帯でもビルサインが目に入りビルの存在をアピールできるよう、サインが発光する施工を行って視認性を確保しました。
◎まとめ
サイン計画をビルのリノベーションと同時に行うと、外観や内装が変わったビルとの統一感が生まれるため、ビルの魅力度が向上します。アピール力のあるビルは集客力が高まり、入居者から選ばれるビルになります。サイン計画では、ビルのコンセプトと融合したデザイン設計や見やすいサインにするための工夫が大切です。ビルのリノベーション時に行うサイン計画にご興味がある方は、当社までお気軽にご相談ください。