REM

東京・神奈川・埼玉・千葉などの首都圏で、事務所・オフィス・店舗・住宅の内装工事、移転、引っ越し、デザイン設計、レイアウト作成、中古ビルの不動産再生・リノベーション等、内装屋・外装・改修工事業者、トータルプロデュース会社をお探しなら是非お問い合わせ下さい。

03-5315-0142

コラム

Column

スケルトンを意匠デザインに取り入れる効果とポイント

一般的な天井や壁は、クロスや塗装などの施工が施されており、内部の構造が見える状態ではありません。しかし、あえて仕上げを行わずに躯体(=スケルトン)を意匠デザインとして取り入れる手法も人気です。スケルトンと意匠の組み合わせは、意匠性が高いだけではなく、造作コストの削減など、メリットも生じます。この記事では、スケルトンを意匠デザインに導入したら得られる効果やポイントをご紹介します。
◎コストを抑える方法としてのスケルトンと意匠デザイン
スケルトンと意匠デザインの組み合わせは、天井や壁にはっている電気や空調の配管、梁や柱などを隠さずに、デザインとして利用することを意味します。そもそも備わっていた設備を意匠とするスケルトン仕様は、コストカットを目的に、意匠デザインへ使用することが可能です。
 
建物の躯体そのものであるスケルトンを意匠デザインとして利用すると、打ちっぱなしのコンクリートや骨組み、空調設備、配管そのものが、デザインとして生まれ変わります。これらの設備は、とくに天井裏に数多く張り巡らされているため、スケルトン仕様にしかたらといって、天井が寂しくなることはありません。複雑に交差している配管は、独創的な意匠も生み出します。スケルトンを意匠デザインに織り込むと、壁や天井のデザイン・装飾に要する費用や時間を抑えられるため、コスト削減が実現します。
 
建物の骨組み、配管設備そのものが露になった状態が完成品であるスケルトン仕様は、一般的な天井・壁とは異なり、石こうボードの設置や塗装を行いません。つまり、壁材や床材をはじめとした建材、塗装やクロスのような仕上げ材は不要になります。壁や天井は面積が大きいため、数多くの材料やさまざまな装飾品が必要になる、費用を要すると考えがちです。しかし、スケルトンを意匠デザインと融合させると、建材・仕上げ材を使用しない分、材料に関する費用を最小限にできます。
 
壁や天井が取り払われたスケルトン仕様の見た目は、完成した際、新築とほぼ遜色ないクオリティで仕上がります。クロスの痛みや塗装のはがれは、材料と一緒に全て取り除かれます。見た目が悪かったり、損傷があったりしても、スケルトン仕様にすると修繕を考える必要はありません。建物の建て替えや新築工事と異なるポイントは、施工を行う対象が、あくまで内装のみに留まるところです。スケルトンを意匠デザインに導入すると、大幅にコストカットへ貢献できます。
◎スケルトンを意匠デザインに導入すると得られる効果
コストカットのみが、スケルトンを意匠デザインに取り入れた際のメリットではありません。スケルトン仕様にすることで得られる効果は、多種多様であり、意匠として使用したいと希望する方は増加しています。
〇開放感を得られる
開放感があり、ゆとりのある空間を希望する際は、意匠デザインにスケルトンを選択すると実現できます。壁に設置されている断熱材や、壁材そのものの厚みが取れる分、広さを感じやすくなるためです。同じ床面積でも、壁がある時と比較すると、空間が横や奥へ膨らんだことを実感します。天井についても、天井材など全て撤去されるため、床面から天井下面までの垂直距離を、従前より高くとることが可能です。スケルトン天井にすることで、数十センチ天井が高くなり、縦にも長く伸びた、圧迫感のない空間を作りにも貢献します。スケルトンを意匠デザインに導入すると、壁や天井の設置時と比較して、縦にも横にも空間の広がりを感じらえるため、開放感が増し、より居心地の良い広々とした空間が完成します。
〇空間作りの自由度やデザイン性が増す
空間作りの自由度やデザイン性に重点を置くことで、好みを反映させた演出を希望する際は、意匠デザインとしてスケルトンを使用すると、現実のものにできます。スケルトン仕様の特色は、自由度が際立って高いことです。壁を撤去し、部屋同士をつなげて広がりをもたせたり、部屋を壁で割ることで、個々の空間を作ったりすることも可能です。スケルトン仕様は、依頼者や設計者の意匠を色濃く映し出せるため、非常に高い意匠性をもちます。内装を一から検討し、統一感を好みに加味することで、独創的ながらも統制の取れた意匠の表現が可能になります。さらに、むき出しのコンクリートが、インテリアや什器の色彩を強調してくれる効果もあります。スケルトンを意匠デザインに使用すると、空間作りがより自由になり、凝ったデザインや考えを織り込めます。
〇雰囲気の一新が可能
空間の雰囲気を一気に変えたいときは、スケルトンを意匠デザインに取り込むと、雰囲気の一新につながります。オフィスにありがちな、見慣れた色味・仕上げ材の天井と、規則的に配置された縦長の白い照明も、スケルトン仕様にすることで、硬い雰囲気が取り除かれ、創造性があふれた空間を再構築できます。社員の気分も変わり、よりクリエイティブな仕事や意欲の向上につながるでしょう。また、壁と天井に囲まれた空間は、どこにも当然のようにありますが、オフィス以外においても、両方を取り払うことで、非日常的な空間の表現が可能です。デザインとしても使用できる配管や空調設備の見せ方によっては、ヴィンテージ感を出したり、近未来感を漂わせます。単調な空間も、スケルトンを意匠デザインに導入すると、従前の雰囲気を忘れるくらい、異なった空間を作り出します。
◎スケルトンを意匠デザインに組み込む際のポイント
スケルトン仕様は、コスト削減や導入することで得られるメリットが数多くあります。しかし、意匠デザインとしてスケルトンを使用する際は、押さえるべきポイントがあるため、あらかじめ把握しておくことが大事です。
 
スケルトン仕様は、天井材や床材などの建材、塗装やクロスなどの仕上げ材がない状態のため、外気温の影響を受けやすくなります。建物の構造と室内の間に挟まれる材料がないことから、室内の温度を一定に保ちにくいともいえます。エアコンをはじとした、空調の冷暖房効果が適切に及ばず、夏は冷房を入れても暑い、冬は暖房を入れても寒いという状態を生みかねません。スケルトンを意匠デザインとして希望する場合は、スケルトン仕様となっても、冷暖房が正常に動作し空調効果を感じられるような設計や施工ができる、実績のある会社に相談のうえ、依頼しましょう。
 
自由度やデザイン性に優れていることは、スケルトンを意匠としたときのメリットですが、時として、企業イメージに好ましくない影響を及ぼす可能性もあります。企業のイメージにあわない意匠となると、奇抜なイメージが先行し、ブランディング効果が下がる恐れがあります。スケルトン仕様は、配管に塗装を施すことで落ち着いた色味の仕上りにもできます。建築系や創造性・オリジナリティーを重要と位置付ける企業は、そのイメージに即しているかもしれませんが、異なるカラーをもった企業は、慎重に検討する必要があります。雰囲気の一新を目指しながら、企業としての風格やイメージを損なわないよう考慮した意匠デザインを提案してくれる会社の選択が大切です。
 
とくに、スケルトン仕様を取り入れる場所が賃貸の場合は、注意と事前相談が必須です。退去時の原状回復は、切っても切れない履行事項であることを忘れてはいけません。スケルトン仕様にしたものの退去により原状回復を行う際は、入居時にはあった天井や壁の再設置費用が大きく膨らむ可能性があります。スケルトンを意匠デザインに織り込んで得られるメリットはさまざまです。しかし、賃貸契約の場合においては、貸主との事前相談と了承、そして退去時の原状回復義務の範囲確認が求められます。スケルトンと意匠デザインに取り入れるときは、賃貸のスケルトン工事の施工経験がある会社に相談し、貸主とどのような話し合いをすれば良いかアドバイスをもらってから実施の可否を判断しましょう。
◎意匠性の高いスケルトンを取り入れた当社の施工事例
スケルトン仕様は、オフィスやイベントスペースなど、使用目的に関わらず導入可能です。開放感やデザインの自由性、空間の印象の一新を意匠性が高いスケルトンは実現できます。
〇八王子オフィス
八王子のオフィスにて、スケルトンの意匠デザインをラウンジスペース天井に取り入れ、スケルトン天井にした実例です。オフィススペースは、白を基調とした明るく清潔感があふれ、仕事の効率が向上するような天井にしました。一方、ラウンジスペースは、スケルトン天井にすることで、建物の躯体を活かしながら配管をのぞかせ、一般的な企業のラウンジとは一線を画す空間を作り上げました。オフィスとラウンジスペース、それぞれの天井の意匠デザインを差別化し、仕事をする空間と打ち合わせや来客対応する空間を分けたことで、開放感があり、かつラウンジには、オフィスにありがちな硬い雰囲気にならないような意匠を施しています。
〇東京港区 イベントスペース・スタジオ
港区三田にある築30年の元工場へ、スケルトン仕様を織り込み、イベントスペース・スタジオに変えた事例です。ステージがあるスペースの天井へ、スケルトンの意匠デザインを施しており、配管や空調機が以前の状態のままデザインとして残っています。年季の入った設備を利用することで、クールな空間の演出に一役買いました。エントランスにおいても、タイルを取り払って露出した壁面をそのまま使用しています。シンプルな壁面となったため、イベントごとに装飾が可能になり、イベントカラーに即したデザインの演出に貢献しています。
◎まとめ
スケルトンを意匠デザインに取り入れると、費用面では、建材や仕上げ材の削減につながるため、大幅のコストカットが可能です。さらに、スケルトン仕様は、開放感や自由度と意匠性の高さ、従前の雰囲気の入替をはじめに、導入したことで得られる効果も数多くあります。オフィスやイベントスペース、店舗など、使用目的に関わらず、スケルトンを意匠デザインに織り込みたいとお考えの方は、当社までお気軽にご相談ください。

スケルトンを意匠デザインに取り入れる効果とポイント