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コラム

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大規模工事における現場安全管理の重要性と事例

築古不動産ビルの1棟工事など、大規模工事の請負において重要となるのが現場安全管理です。工事現場の近隣住民はもちろん、実際に作業を行うすべての人が安全に過ごせるよう配慮する必要があります。作業員の安全確保のために行われている具体的な方法には、朝礼・終礼や安全パトロール、KY(危険予知)、自社検査などがあります。この記事では、大規模工事における安全管理の重要性についてお伝えするとともに、実際に行われている安全管理の具体的な方法についてご紹介します。
◎大規模工事現場における安全管理の重要性
大規模工事現場における安全管理の重要性築古不動産ビル1棟など大規模工事を請け負う際には、現場の作業員が安全かつ速やかに業務を遂行することはもちろん、また近隣住民の安全を守るよう最大限の配慮と安全管理体制の構築が不可欠です。大規模な建設工事においては一般的に、元方事業者と下請事業者とが同一の現場で混在して作業を行うことになるため、安全管理体制の所在をあいまいしておくと深刻な労働災害につながる恐れがあります。安全管理とは業種にかかわらず重要なものですが、元請・下請事業者が混在して作業する建設業や造船業といった特定事業者はとくに安全管理に対する注意が必要で、法令に基づいて安全衛生管理体制を構築することが義務付けられています。
 
安全管理における対策は、工事現場で実際に働いている作業員に対するものと、近隣住民など作業員以外に対するものの大きく2種類に分けられます。近隣住民に対する安全管理体制としては、人通りの多い場所や危険な箇所にガードマンを配置したり、カラーバー・カラーコーンなどを設置することで立ち入り禁止区域を明確に設定する、通勤・通学など人通りがとくに多い時間帯の作業は避ける、通路などは片側ずつ作業を行うことで通行に支障ないよう配慮することなどがあげられます。夏場に多発する台風や暴風雨、冬場の大雪や地震などに際した対応策の検討も必要です。一方、工事現場で働く作業員への安全管理としては、朝礼・終礼の実施、定期的な安全パトロール、深刻な労働災害を未然に防ぐKY(危険予知)活動とリスクアセスメント、安全管理が適切に行われているかの自社検査、設備点検などがあげられます。
◎国土交通省の定める安全管理体制
国土交通省の定める安全管理体制建設業・造船業の2業種は特定事業と定められています。労働安全衛生法第三章「安全衛生管理体制」の項目において、総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、安全衛生推進者、産業医等、作業主任者を設置することが義務付けられています。元方事業者は統括安全衛生責任者などを、下請事業者は安全衛生責任者などを選任します。
 
 
また、元方事業者には建設現場安全管理指針が定められており、建設現場における安全管理として「安全衛生管理計画の作成」や「過度の重層請負の改善」「請負契約における労働災害防止対策の実施者及びその経費の負担者の明確化等」「作業手順書の作成」「協議組織の設置・運営」「新規入場者教育」「安全施工サイクル活動の実施」など14の項目によって安全管理の水準を向上させることが求められています。
 
大規模工事現場においては、このような法令に基づく安全管理体制や指針によって関係者すべての安全管理に対する意識を高め、安全管理水準を向上することによって、深刻な労働災害を防止する効果が期待できるのです。
◎実際の大規模工事現場で行われている安全管理
実際の大規模工事現場で行われている安全管理大規模工事現場において重要な安全管理ですが、具体的にどのようなことが行われているのかご紹介します。現場では、安全管理に関する計画や指針を明確化することはもちろん、危険要素がないかを定期的に確認することが大切です。
○安全衛生計画の作成
安全衛生計画書とは、労働者の安全衛生を守る目的で、労働安全衛生法などに基づいて作成される計画書です。安全衛生計画書は1年ごとに立案し、定期的な安全管理活動のほか災害時における対策、年度目標や重点政策などを盛り込みます。工事現場における安全管理は労働者の安全に欠かせないものですが、日常業務が忙しくなるにつれどうしても忘れがちになったり、後回しにされがちです。年間を通じた安全衛生計画を立てることによって、工事現場の安全管理に対する指針や目標が可視化され、より安全に作業が行いやすくなります。安全衛生計画書の提出は義務ではありませんが、労働者の安全管理を管轄する厚生労働省および各都道府県の労働基準監督署では、各職場で自主的な安全管理活動を展開するために安全衛生管理計画書の提出を推奨しています。実効性のある安全衛生管理計画書に基づき、労働者の協力のもとでPDCAサイクルを実践して安全管理のレベルアップを図ることが大切です。
○安全パトロール
安全パトロールとは、大規模工事現場に潜在する危険要因を見つけ出すため、定期的に職場内を巡視することをいいます。巡視は主にチェックリストを用いて行い、目で見てわかる不安全な要素について、工事現場に潜在している、あるいは顕在化した災害の芽を確認し、探し、潰すことで安全管理と災害の防止を図るのが目的です。具体的には、危険状態・危険行為の指摘と改善、設備・機械などの保安状況、各職種間の連絡調整状況、作業現場の5S状況、第三者に対する設備・防災対策状況、搬入する資材・機器材の状況、作業員に対する監督状況などについてのチェックを行います。安全パトロールにおいて不具合が発見された場合には、パトロール者の管轄対象でなかったとしてもその場で注意・是正することが安全管理上望ましいとされています。また大規模工事現場における安全パトロールはしばしば慣習化・形骸化しがちですが、現場で作業する人々の安全を確保できるよう真剣に実施することが大切です。
○朝礼
朝礼は工事における安全管理の一環として重要な役割を担っており、当日の作業内容の確認や施工計画に関する情報共有、注意事項の共有、また安全管理に対する意識向上などを目的に行われるものです。大規模工事現場においては一般的に毎朝朝礼が行われ、これにより現場での作業がスムーズに進められるようになります。「今日の作業にはどのような危険があるのか」「今日はどの箇所の安全管理に注意を払わなければならないか」などを細かく確認し、繰り返し周知することが大切です。
○危険予知活動
工事現場における労働災害の多くは、うっかりしたミスや「できる」という錯覚、横着や省略などによるヒューマンエラーによるものです。危険予知活動(KY活動)とは、工事現場において実際に行われる作業のなかで事故につながる可能性の高い箇所を確認し、安全管理の観点からどのように対策するべきかを話し合うことをいいます。ヒューマンエラーによって発生する労働災害の多くは危険予知活動によって未然に防げることが多いです。「安全衛生の先取り」を行うことで、安全管理をより高いレベルで実践できるようになります。
○作業員への教育
大規模工事現場においては多くの作業員が必要な場所や時期に応じて入れ替わるのが一般的であり、すべての作業員が一堂に会する機会は少ないです。そのため、途中から新たに作業員が入る場合には、それまでの安全管理体制やルール、禁止事項の共有といった教育を行う必要があります。現場安全管理は作業員1人ひとりの意識によって積み上げられていくものなので、現場にかかわるすべての人が安全管理に関する意識を高めることが大切です。
○5S活動
誰もが安全に作業できる工事現場は、物の置き方や作業のやり方など、すべてのもの・ことが誰の目から見てもすぐわかる状態になっていなければなりません。安全性の高い現場維持されているかどうかを測る指標として役立つのが、5S活動です。5S活動とは、工事現場において徹底すべき「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」という5つの取り組みを指し、安全性の向上はもちろん、品質の向上、稼働率の向上、納期の達成、原価の低減、多品種化、モラル向上など多様な効果が期待できます。
○自社検査による品質管理
物件は工事が完了したらそれで終わりというものではありません。工事完了後には、作業員や現場代理人による入念な自社検査を実施します。自社検査では、自社内に定められている品質基準をクリアできているか、施工計画書の記載内容どおりになっているかどうか、施工体制に問題はないか、災害防止など安全管理に関する活動を適切に行っているか、極端に見栄えが悪くないかなど幅広い項目に関してのチェックを行います。
◎工事現場における安全管理を徹底した当社の事例
工事現場において安全管理を徹底することは施工主にとっての責務ではありますが、不動産再生事業やビル1棟リノベーションといった築古物件を取り扱う際には、とくに注意が必要です。ここでは、当社の手掛けた不動産再生における安全管理の事例をご紹介します。
〇東麻布オフィス/東京
東京タワー近くの地下1階・5階建て築古オフィスビルにおいて、外構を含めた1棟丸ごとのフルリノベーション工事を実施した事例です。エレベーター新設工事とともに、地下空間のバリューアップを目的としたドライエリアとビルサッシ新設工事も実施しました。ドライエリア新設工事は躯体に関わる大規模な計画のため、安全管理にはとくに注意を払いました。内装をはじめ設備が一切設けられていない物件だったため、照明、電源、エアコン、防災などすべての設備を新設し、不動産価値の回復に貢献しています。
〇池尻大橋オフィス/東京
目黒区大橋にある6階建ての学校をオフィスビルへ1棟コンバージョンした事例です。既存の間仕切りは重層な防音壁で作られていたことから、防音壁を大規模に解体してフルスケルトンに戻すところから工事を実施しました。ベランダや外壁タイルの劣化状況の調査とともに、安全管理に配慮しつつ修繕を行い、ほぼすべて照明、エアコン、消防などの設備の入れ替えも行っています。大規模な設備の更新と建築の修繕によって不動産価値を最大化し、シンプルなフロア貸しスケルトンオフィスへと生まれ変わりました。
◎まとめ
大規模工事現場における安全管理は、すべての作業員が安全に業務を遂行するために不可欠な作業です。安全管理を徹底することで高い品質を確保でき、生産性の向上やモラル向上など幅広い効果が期待できます。当社では安全パトロール、朝礼、危険予知活動、自社検査など、大規模工事の請負に伴う安全管理体制の強化に力を入れており、安全で確かな品質の物件をご提供いたします。不動産再生、ビル1棟リノベーション、オフィス移転などに関するご相談があれば、お気軽にお問い合わせください。

大規模工事における現場安全管理の重要性と事例