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コラム

Column

在宅勤務の増加でオフィスに変わる住宅需要や住居の変化

コロナ禍をきっかけにはじまった新しい生活様式は、私たちの日常生活に大きな変化をもたらしました。なかでももっとも大きな変化が、働き方とオフィス・住居に関する考え方です。在宅勤務が定着したことでオフィス通勤の必要性がなくなり、住居は「生活する場所」だけでなく「働く場所」にもなりました。この記事では、コロナ禍で定着した在宅勤務がオフィスや住居にもたらした変化について詳しくご紹介します。
◎在宅勤務の定着で問われるオフィスの存在意義
コロナ禍による感染対策として提案された新しい働き方には、テレワークやローテーション勤務、時差通勤、オフィスにおけるソーシャルディスタンス、オンライン会議などが推奨されました。通勤の感染リスクを減らす目的で多くの人がオフィス勤務から在宅勤務に切り替わり、一時は「オフィス不要論」がささやかれるほどの状況になりました。
 
在宅勤務が増えれば、オフィスは本当に必要なくなるのか、答えは否です。コロナ禍によって生み出された新しい働き方の波は、在宅勤務・オフィス勤務を必要に応じてフレキシブルに切り替えられるようにするための布石であり、決してオフィスが不要になったというわけではないのです。他方、在宅勤務の広がりを受けて、オフィスに対する我々の考え方も変化しました。オフィスに物理的に敢えて「集まる」という行為こそが、企業のあり方や多様性に多くのメリットをもたらすという考え方です。
 
ニューノーマル時代におけるオフィスの存在意義のひとつに、「セレンディピティ」すなわち、ふとした偶然によってもたらされる予想外の発見があげられます。オフィスにおける偶発的な出会いや発見が新たなイノベーションを生み、企業にさらなるクリエイティブな仕事をもたらすのです。オフィス通勤をすることのもうひとつの意義は、「同時性コミュニケーション」ができる点にあります。オフィスとは、同じ空間と時間、そして体験を共有する場所です。オフィス内で「近くにいる」という物理的条件は強制力を持つためストレス要因にもなり得ますが、一方でメンバーのモチベーションが上がったり、チームとしての一体感を強められるといったメリットもあるのです。
 
オフィス通勤から在宅勤務へシフトチェンジしたことで、「在宅では働けない」という人への対応も必要になりました。コロナ禍において国土交通省が調査した「我が国の住生活をめぐる状況等について」によると、在宅勤務の環境について、一戸建て住宅と共同住宅の持ち家で約2割の人が「オフィスに変わる職場環境が自宅にない」と回答しています。また共同住宅の借家では4割以上の世帯で「個室などのオフィス環境がない」と答えており、在宅勤務におけるオフィス環境、ワークスペースの確保が喫緊の課題になっていた実情がわかります。このような状況のなか、オフィス、自宅に続く第三のワークスペースとして、シェアオフィスやサテライトオフィス、コワーキングスペースといった準オフィス環境に注目が集まりました。このようなサードプレイスは在宅勤務の人のみならず、フリーランスや脱オフィス企業などの受け皿として今も需要を拡大しています。
 
(参考:国土交通省 我が国の住生活をめぐる状況等について)
◎コロナ禍で中古住宅やリノベーション需要が加速
オフィスに代わる在宅ワークスペースを求め、自然環境が豊かな土地への引っ越しを検討したり、新たに家を新築・改築しようとする人も増えました。一方、外出自粛などの影響により住宅着工数は大幅に落ち込んだため、住宅・不動産業界は長く下降傾向にあります。これに追い打ちをかける形で世界的な木材価格の高騰・建築資材不足のいわゆる「ウッドショック」が起こり、2022年に入ってやや回復の兆しを見せているものの、住宅・不動産業界は依然として先行き不透明な状況が続いている状態です。
 
これとは対照的に売れ行きが加速しているのが、中古住宅や遊休不動産を活用したリノベーション物件です。在宅勤務をより快適に過ごすために引っ越しを急ぐ人にとっては、竣工や引き渡しまでに時間のかかる新築物件より、手頃な金額で比較的早く入居できる中古物件のほうが好まれました。さらに自宅をリノベーションで在宅勤務に最適化してオフィス化しようとする人も増えており、国のリフォーム補助事業などもあって需要は拡大傾向です。首都圏におけるマンション発売戸数は2021年に新築より中古が上回り、中古マンションと中古戸建ての市場は今後さらに需要が高まっていくと予想されます。
 
さらに、シェアオフィス・コワーキングスペース人気の高まりを受け、近年では築古不動産や中古住宅をリノベーションしてオフィス化するところも増えています。このように遊休不動産をオフィスとして活用する事例は、在宅勤務者の受け皿となるだけでなく、地域の活性化、治安維持、SDGsなどの観点からメリットが多いことから、不動産再生とオフィスに変わるサードプレイス需要は今後も増加していくことでしょう。
◎住居に「近さ」より「広さ」を求める人が増加
在宅勤務が定着したことを受け、住居には「オフィスとしても自宅としても機能する場所」としての役割が求められるようになりました。その結果、従来のような職住近接志向は弱まり、「交通や生活のアクセスが多少悪くても広く自由度の高い住宅に住みたい」というニーズが高まりました。内閣府による「第5回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」によると、東京圏に住む人で「地方移住に強い関心がある/関心がある/やや関心がある」と回答した割合は全体の34.2%にのぼり、コロナ禍で在宅勤務が増加した時期からは年々増加傾向にあります。
 
その理由としてもっとも多かったのが「人口密度が低く自然豊かな環境に魅力を感じたため」であり、特に都市部において、住宅に広さを求める傾向が顕著になっています。在宅勤務はオンライン会議などが多いことから、近隣住民への音の配慮や防音対策に悩むという都市部ならではの事情もあると考えられます。東京を中心とした都市部ではコワーキングスペース付き住宅なども増えており、在宅勤務の人向きに住宅へオフィス機能という付加価値をつる動きが顕著に見られます。
 
(参考:内閣府 第5回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査)
◎アフターコロナの住宅に求められる条件
コロナ禍で新たに普及した「新しい生活様式」では、ソーシャルディスタンスやマスクの着用、こまめな手洗い・手指消毒と換気などが推奨されました。これに伴い、オフィスはもちろん在宅勤務を行う住宅にも安全・安心面からさまざまな条件が求められるようになっています。アフターコロナにおける住宅には、ウイルスの感染拡大を抑制し、あるいは今後来るかもしれない未知のウイルスにも対応できる機能が必要とされているのです。
 
○効率よく換気できる窓配置や換気システムが整っている
「三密=密集、密接、密閉」の回避が有効とされたことからもわかるように、感染対策には密閉を防ぎ適度に換気を行うことが不可欠です。2003年の建築基準法改正によって、7月以降に建築されたマンションや戸建てには必ず24時間換気を行う機械設備を設置することが義務づけられていますが、2003年7月より前に建てられた物件でも、窓を開けることによる自然換気が効果的であるとされています。換気によって効率的に感染対策ができる住宅が好まれるため、近年では窓配置にこだわるところも多く見られます。
 
○オフィス通勤・在宅勤務どちらでも対応できる
コロナ禍でオフィス通勤から在宅勤務に切り替わった人にとっては、仕事とプライベートを空間的に切り分け、オンオフを切り替えることが非常に重要なため、ある程度の広さが必要になります。また在宅勤務をオフィスと同等に快適に行えるようにするには、通信性能や防音性能に優れたオフィスに準ずる設備が求められるでしょう。また、オフィス勤務に切り替わっても通勤に支障がないように、都市部にあるオフィスへのアクセスがそこそこ良い郊外を希望する人が多いのが特徴的です。
 
○身体的・精神的健康を維持できる設備がある
在宅勤務はオフィス通勤と異なり、物理的に体を動かす機会が減る特徴があります。また、オフィスでは近くの席の人と自然に行っていた世間話などもできなくなるため、孤独感に陥りやすくなりメンタルヘルスに支障をきたすケースも少なくありません。このような在宅勤務の弊害を乗り越えるため、「ウェルビーイング」すなわち肉体的、精神的、社会的に満たされた状態が好ましいという風潮が高まりました。近年はフィットネスジムが増加傾向ですが、体の健康を保つため住宅のなかにトレーニングスペースを設けるなどの工夫をしているところもあります。またコワーキングスペース付き住宅は、誰かとコミュニケーションを取れる機会として精神を安定させる効果が期待できます。
◎住宅リノベーションによる当社の施工事例
コロナ禍による中古住宅需要の高まりを受け、マンションや戸建てをリノベーションしたいという依頼も増えています。当社では物件の劣化状況等を現況調査し、物件の古さを感じさせないクオリティの高い施工を実現いたします。
○桜丘マンション 
渋谷区桜丘の築古マンションにリノベーション工事を施すプロジェクトに参画した2021年の事例です。古くなった室内に解体工事を実施し、モダンで先進的デザインのリノベーション物件へと一新しました。築古不動産のため、構造躯体(建物を支えている骨格)の状態があまり良くありませんでしたが、当社の施工技術により健全化することで不動産価値の維持に貢献しました。
 
○北千住住宅 
足立区北千住にある戸建ての空き家住宅において、リノベーションの設計デザイン提案を行った2022年の事例です。空き家の劣化状況を現況調査にて確認し、建築基準法や消防法などの各方面の規定を遵守しているかどうかの検証を行ったうえで、それに見合った設計デザインを提案しました。
◎まとめ
コロナ禍でオフィス通勤が減り在宅勤務が定着し、第二のオフィスである住宅に対する我々の意識も大きく変化しました。住宅を選ぶ際には、在宅勤務スペースを作れるかどうか、換気設備が整っているか、オフィスの代替として利用できるかどうかが重視される傾向にあります。当社はさまざまな実績やネットワークにより、新しい生活様式や働き方に対応できる住宅デザインやオフィスデザインをご提案できます。ぜひお気軽にご相談ください。

在宅勤務の増加でオフィスに変わる住宅需要や住居の変化